スペインで日本のスマホを使うことはできる?
今度の長期休みはスペインに旅行に!スペインはたくさんの世界遺産、美味しいご飯、ラテン独特の開放的な雰囲気と、日本人にとって人気の海外旅行先の一つです。そんなスペインへの旅行客の多くが不安に思うことの一つが「スマホ問題」です。日本で使っているスマホはスペインで使える?Wi-Fiは通っている?どんな接続方法がおすすめ?そんな疑問を抱えている人たちのために、この記事ではスペイン在住の私が、スペイン旅行でのおすすめのネット接続方法を解説します!
スペインで通信する方法
まず、日本で使っているスマホは、スペインでも使うことができます。ただし、ネット回線は日本から出た瞬間から接続ができなくなりますので、ネット回線が必要なアプリを使用する場合は、別途その環境を作る必要があります。
ではどのようにしてスペインで通信ができるのでしょうか。通信回線を作るための方法は大きく分けて5つあります。
ロックなしフリーWi-Fi(空港、駅など)
スペインでは、日本よりもフリーWi-Fiが発達しており、駅や空港などの施設ではロックのかかっていないWi-Fiを拾うことができます。ただし、ロックがかかっていない分、なかなか繋がらないなど通信の質は良くないことが多いです。私の個人的な体感で言うと、「Wi-Fi自体は接続できるけど、通信しようとするとほぼ動かない」くらいの感じが多いです。
また、メールアドレスやFacebookアカウントでのログインが要求されるなど、接続に手間がかかる場合があります。通信履歴が記録されるなど、必ずしも安全とは限らないので、その点も注意が必要です。どうしても他に方法がなければ試す価値はありますが、基本的にはあまり当てにならないと言えます。
ロックありWi-Fi(レストラン、ホテルなど)
スペインのレストランやホテルではロック付きのWi-Fiが通っているところが多いです。特にバルセロナやマドリードの中心部では、レストランの入り口に「FREE Wi-Fi」というシールが貼ってあるところが多いです。パスワードは店員さんに聞けば教えてもらえます。ホテルではレセプションなどでWi-Fiのパスワードを渡されることがありますので、それを入力すれば通信が可能です。
Wi-Fiの有無を聞いたり、パスワードを聞いたりするのは、観光地ではかなりよくあることなので、遠慮せずパスワードを聞きましょう。ロック付きのWi-FiはオープンWi-Fiよりも通信が安定していることが多く、使いやすいです。次にご説明するポケットWi-Fiのレンタルを利用している場合にも、データ通信量を節約するために、レストランやホテルではWi-Fiに接続するのがおすすめです。
ポケットWi-fiレンタル ★オススメ
国内でWi-Fiルーターのレンタルを予約し、空港で受け取り、返却(一部郵送による受取が可能な場合もあり)ができるサービスです。指定の国の中でWi-Fiルーターを持ち歩いている間はどこでも通信が可能です。各社さまざまなサービスやキャンペーンを出していますが、どこの会社にも「スペイン対応機種」は用意されているので、価格やサービス内容を比較して選びましょう。「ヨーロッパ周遊」などのWi-Fiもあります。また、数台で接続することも可能なので、複数人で旅行をする際には一台レンタルし料金を割ることもできます。Wi-Fiレンタルの詳しい方法については後述します。
現地SIM(プリペイド) ★オススメ
日本でいうところのauやSoftbankのような、現地の携帯会社のプリペイドSIMを購入して現地回線を使う方法です。スペインの通信回線を直接使うので、どこでも比較的安定した通信が可能です。携帯会社に直接行って契約を結ぶ必要があります。旅行客にはプリペイド式が手軽でおすすめです。(あらかじめ決まった通信料分を購入してSIMの差し替えをします。)スペインでOrangeやYoigo、Vodafoneなどの携帯会社が主流です。契約にはいくつかのプランがあるので、自分に合った契約内容を選べばかなりお得にネット回線を手に入れることができます。現地SIM購入の詳しい方法は後述します。EU圏内では2017年以降、EU内でプリペイドSIMを契約すれば、他の国でも無料でネット回線を利用できるようになりました。実際にOrangeのSIMをポルトガルとオランダで使用しましたが、問題なく使用できました。
日本携帯会社の海外パケットサービス
日本で契約している携帯会社(auやDoCoMo、Softbankなど)によっては、海外での通信が可能になるプランもあります。日本にいる間に日本語で契約できるため、契約が簡単に行えるというメリットがありますが、1日2,000~3,000円かかるなど料金が高額になるため、個人的な旅行での使用はおすすめできません。
ポケットWi-Fiのレンタル方法
ポケットWi-Fiをレンタルする方法についてご説明します。1週間程度、複数人で旅行をされる方に最も便利で手軽な方法です。
- 各社レンタル会社から選択
- オンラインでレンタルのプランを選択
- 渡航日を選択
- 受け取り場所、返却場所を選択
- 保障・オプションを選択
- 受け取り、渡航後返却
一つずつご説明します。
各社レンタル会社から選択
現在ポケットWi-Fiのレンタルサービスは数社が行っています。ネット上には価格を比較しているサイトなどもあります。それぞれサービスの内容が若干異なりますので、一番自分に合ったプランを選びましょう。
オンラインでレンタルのプランを選択
一日のデータ通信量の制限などによって値段がことなりますので、何人で利用するのかなどを考慮してプランを選びましょう。具体的に300MBプランで使用できる目安は、Webサイト閲覧2,000ページ、LINEメッセージ約15万回、Maps閲覧約81回、Skype通話約492分、Skypeビデオ通話約72分、YouTube視聴約25分となります。なお、インスタグラムには約10回程度の投稿が可能ですが、一回の投稿に約25MBもかかってしまうので、ホテルのWi-Fiを利用して行うか、データ容量の大きいものを選ぶのが安心です。
渡航日を選択
ここで注意しなければならないのは時差です。近場への渡航であれば問題ありませんが、「旅行先に滞在している期間」ではなく、「出国から帰国するまでの期間」を選択する必要があります。飛行機の中で過ごし、実際は使っていないときでも料金を払わねばならないことになります。
受け取り場所、返却場所を選択
自宅に郵送してもらって受け取る方法もありますが、空港での受け取り・返却がおすすめです。レンタルWi-Fiはオンライン予約なしで直接空港の窓口で当日申し込みも可能な場合がありますが、ハイシーズンではすべての端末が予約済の場合もあるので、必ず予約をするようにしましょう。
保障・オプションを選択
Wi-Fiと一緒にモバイルバッテリーなどのレンタルサービスを有料で行っている場合があります。オプションは必要なものを一緒にレンタルするのは便利ですが、個人的に紛失・破損保証はつけておくのがおすすめです。(私は海外でポケットWi-Fiを無くして高額な賠償を払ったことがあります…)無くす、壊すだけでなく、旅行中は盗難のリスクもあります。
受け取り、渡航後返却
受け取りは旅行前の緊張感があるので忘れる方は少ないと思いますが、帰国後気を抜いてWi-Fiの返却を忘れてしまうころがあるので、注意しましょう
現地プリペイドSIMの購入方法
続いて、安さ重視の旅行をしたい方におすすめ方法の現地プリペイドSIMの購入方法をご説明します。現地でのSIMカードの購入方法の前に一つ大切なのは、使用している端末が「SIMロック解除」の状態であることを確認することです。
そもそもSIMカードとは?という方もいると思いますので、簡単に説明すると、「スマホが通信するためのチップ」のことです。通常、au、DoCoMo、Softbankなどのキャリアで契約していると、他の通信を使えないようにロックがかけられています。この状態のまま現地のSIMカードを使っても通信はできませんので、注意が必要です。SIMロック解除とは、この制限を外すことを指します。
ちなみに私が現在使っているSIMカードはスペインの携帯会社Orangeのものです。「4GB回線、データ容量4.5GBまで、通話20分まで、スペイン外のEU内通信可能」というスペックで、4週間10€(日本円で1,200~1,300円程度(2019年7月現在))です。
現地でのプリペイドSIMの購入方法の流れを簡単にまとめると以下の通りです。
- 日本でSIMロック解除しておく
- 現地の携帯会社に行く
- プリペイドSIMを頼む
- プランを選ぶ
- SIMを差し換える
- PINコードを入力する
一つずつ手順を説明していきます。
日本でSIMロック解除しておく
日本で契約している携帯会社がau、DoCoMo、Softbankのいずれかであれば購入時からSIMロックがかかっていますので、オンラインでロック解除するか、店頭で解除することができます。店頭でSIMロック解除する場合は、手数料がかかることがあります。(例えばauでは3,000円+税がかかります。)
現地の携帯会社に行く
現地の携帯会社については渡航前にある程度目星をつけておくのがおすすめです。今回は私が実際に契約をしたスペインの携帯会社Orangeの例でご説明します。スペインの至る所に携帯会社(他にはYoigo、Vodafoneなど)があるので、そこに直接行き窓口で手続きをします。なお、スペインではタバコ屋さんやキオスクなどのでもSIMの販売をしていますが、初めてであれば携帯会社での契約が安心でおすすめです。空港内でもプリペイドSIMを購入することができますが、高いものしか扱っていない場合もあるので注意が必要です。
プリペイドSIMを頼む
プリペイドSIMを購入したいという旨を伝えると、SIMカードを持ってきてくれます。プランが選べるのであれば自分にあったプランを選択します。期間が長くないのであればそこまでデータ容量は必要ないと思いますので、それを店員さんに伝えるとスムーズだと思います。プリペイドなので、SIMをゲットするのと同時に、通信費も込みで支払いをします。なお、バルセロナやマドリードの中心地でも携帯会社の店員さんに英語が通じるとは限りません。行く前にある程度プランを把握しておくと比較的スムーズです。
SIMを差し換える
購入したSIMは、必ずその場で試してみましょう。一番いいのは店員さんに設定までやってもうことです。うまく動かないなどトラブルになる前に、インターネットがきちんと作動していることを店内で確認できれば安心感が増します。この際、元に入っていたSIMを紛失しないように気を付けましょう。帰国後の通信に必要になります。
一番手軽で便利なのは、無料Wi-FiとポケットWi-Fiレンタルの併用!
ここまでスペインでWi-Fi事情とおすすめの接続方法をご説明してきました。では旅行客にとって一番良い接続方法はなんなのか?というと、手軽さを追求する人には「レストラン・ホテルのWi-FiとポケットWi-Fiレンタルの併用」、安さを追求する人には「レストラン・ホテルのWi-Fiと現地SIM」がおすすめです。ただし現地SIMの契約にはスペイン語(最低限英語)やスマホに関する基礎知識が必要なので、手軽な方法とは言えません。
基本的なネット接続をポケットWi-Fiや現地SIMで確保した上で、無料Wi-Fiをうまく利用することがスペインのネット回線攻略のコツです。
ぜひこの記事を参考に、楽しいスペイン旅行にしてくださいね!