はじめに
インターネットの普及により、海外旅行のハードルが年々下がっています。航空券やホテルの手配も、代理店などに行かなくてもパソコン一つあれば簡単に済む便利な時代です。
スマートフォンの普及により、旅行先でも簡単にSNSを通じて日本の家族や友達と連絡をとることもできるようになりました。ただ、海外でスマートフォンを使うとなると必要になるのが、その滞在先に対応したSIMカードを設定することです。
この記事では、ニュージーランドに滞在する場合におすすめのSIMカードについて、購入方法やプランに至るまで詳しくご説明していきます。ぜひ、参考にして楽しいニュージーランドの旅をお過ごしください。
NZに到着!どこでSIMカードの購入する?
ニュージーランド(以下NZと表記します。)に到着しました。まずはお使いのスマホをNZ対応のSIMカードに変更しましょう。一体どこでSIMカードを購入するとよいのでしょうか。
大きく分けると次の3つの場所が挙げられます。順にご紹介していきます。
すぐ使いたい人におすすめ~空港で購入する~
日本からの直行便がある、北島のオークランド空港・南島のクライストチャーチ空港ともに、空港内にVodafoneとSPARKの店舗が入っています。どちらも出国ゲートを出てすぐのところにありますので、場所もわかりやすいです。すぐにでも携帯を使える状態にしたいという方は、こちらで購入するとよいでしょう。
街中にでてからでOKという方は
~街中の携帯ショップで購入する~
「長旅の疲れもあるし、空港内で急いで購入する必要はない」という方は、滞在先にまず向かいましょう。 一息ついた後、滞在先ホテルのそばにある携帯ショップに行き、SIMカードを購入するようにしましょう。オークランドもクライストチャーチも、市内中心部やショッピングモールにはたくさん携帯ショップがあります。街歩きも兼ねて訪れてみるとよいでしょう。
買い物ついでに購入できればよいという方は
~スーパーや文具店~
特には急いでおらず、「何かの買い物ついでにSIMカードを購入できれば十分」という方には、スーパーマーケットで購入する方法がおすすめです。スーパーマーケットでは、大抵各携帯会社のSIMカードを取り扱っています。サービスカウンターにおいてあることが多いので、店員さんに声をかけてみましょう。
また、スーパーマーケット以外にもNZ全土で展開を広げているwarehouse stationeryという文具屋さんがありますが、こちらでもSIMカードを取り扱っています。
NZ滞在におすすめの携帯会社&SIMプランはどれ?
購入場所はわかったけれど、では具体的にはどの会社のどのプランを購入すればよいのでしょうか。ここでは、各携帯会社の特徴とプランについてご説明していきます。また、滞在の長さ&使用頻度に合わせたおすすめプランもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
NZで使用ユーザーが多い携帯会社は以下の3社です。
・Vodafone
・SPARK
・2 degrees
それぞれの会社別の特徴と、プランについてお伝えしていきます。
ここでいう「テキスト」とは、日本でいうショートメールのことです。NZでは簡単なメールを送る際には、相手の番号に直接文章(テキスト)を送る方法が一般的です。
Vodafone
日本でも名前の知られているVodafoneは、NZ国内で最大手の会社です。人口の98.5パーセントをカバーしており、ユーザー数が多いのも特徴です。
Vodafoneでは、旅行者向けのTravel SIMというお得なプランと、自分で必要分を買うPrepay Planという二種類のSIMがあります。
Travel SIM
プラン名 | 値段 | 有効期限 | 通話 | テキスト | 通信量 |
Travel SIM | 49ドル | 30日間 | 200分 | 200回 | 4GB |
TravelSIM LITE | 29ドル | 30日間 | 200分 | 200回 | 1.5GB |
Gold Travel SIM | 59ドル | 60日間 | 無制限 | 無制限 | 10GB |
このアプリのお得な点は、普段よく使うアプリの多くが無制限で使えるところです。特に、InstagramやFacebookなどに旅先の写真をすぐアップしたいときにも、使用料が気にならないという点はおすすめです。ただし、Liteプランでの無料アプリは限られていますのでご注意ください。
どのプランも、日本を含む海外20か国に電話をかけることもできますので、旅先から実家に電話をかけたいときにも便利です。
Travel SIM以外のPrepay Planにはどんなものがあるのでしょうか。こちらも見ていきましょう。
プラン名 | 値段 | 有効期限 | 通話 | テキスト | 通信量 |
My Flex Plan | 13ドルから 49ドルまで | 28日間 | 設定 | ||
A Kiwi Favorite | 19ドル | 28日間 | 200分 | 無制限 | 1.25GB |
2 Big Date Bundle | 29ドル | 28日間 | 300分 | 無制限 | 2GB |
こちらはご注意いただきたいのが、通話やテキストはNZ&オーストラリアのみ対応していますので、日本国内にかけることはできません。また、こちらは事前にVodafoneのSIMカードを購入しておく必要があります。
(お店でカードを購入し、設定してもらうことも可能です。)
SPARK
国内第二位のシェアを誇ります。Vodafoneと同様に、大手ですので通信が安定しています。SPARKも旅行者向けのTravel SIMを出していますので、ご紹介していきます。
値段 | 有効期限 | 通話量 | テキスト | 国際電話 | 国外への テキスト | 通信量 |
29ドル | 1か月 | 200分 | 200回 | 100分 | 50回 | 1GB |
49ドル | 2か月 | 200分 | 200回 | 200分 | 100回 | 5GB |
59ドル | 2か月 | 無制限 | 無制限 | 200分 | 200回 | 10GB |
99ドル | 2か月 | 無制限 | 無制限 | 200分 | 200回 | 20GB |
129ドル | 3か月 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 無制限 | 50GB |
SPARKのプランは、通話量・テキスト量が多いことが特徴です。ちなみに、1GB Free Socializerとは、facebook・ messenger・spotify・twitterのアプリを、期間内最大1GBまで無料で使うことができるサービスです。
また、SPARKは街中に設置してある公衆電話がWi-Fiスポットになっています。SPARKのユーザーは、このスポットそばで一日1GBまで無料でWi-Fiを使うことができます。
値段 | 有効期限 | 通話量 (国内のみ) | テキスト | 通信量 |
24ドル | 4週間 | 200分 | 無制限 | 1.25GB |
49 ドル | 4週間 | 300分 | 無制限 | 2GB |
59ドル | 4週間 | 500分 | 無制限 | 4GB |
こちらもお得な点が、Free Socializer以外に二つあります。
一つ目は、音楽アプリSpotify Premiumを50パーセントオフで使うことができます。
二つ目は、継続して使用していくことで、月々100MBずつデータ通信量が加算されていきます。長く利用すれば利用するほどデータが増えるので、長期で滞在する方は検討してみるのもよいでしょう。
2degrees
こちらは比較的新しい会社で、日本でいう格安通信会社のような位置づけです。VodafoneやSPARKと比較すると、田舎の方で電波が入りづらいという声も聞くものの、街中で使用する分には十分問題なく使えます。
2 degreesにはTravel SIMはありませんので、普通のSIMを購入後、プランに申し込む形になります。
2 degreesのプリペイプランをご紹介していきます。
2 degreesのユニークなところは、プリペイプランの中に2週間更新のものと一カ月更新のもの二種類があることです。
2週間プラン
値段 | 有効期限 | 通話量 (国内のみ) | 通信量 |
10ドル | 2週間 | 100分 | 650MB |
15ドル | 2週間 | 150分 | 1.25GB |
20ドル | 2週間 | 無制限 | 2GB |
- 全プラン共通で、テキストは無料で使用できる
- 通話も、2 degrees同士は無料でできる
- 「free data hour 」という、一日一時間すきな時にデータを無料で使える時間がある
1カ月プラン
値段 | 有効期限 | 通話量 (国内のみ) | 通信量 |
10ドル | 1ヶ月 | 100分 | 650MB |
19ドル | 1ヶ月 | 150分 | 1.25GB |
30ドル | 1ヶ月 | 300分 | 2GB |
40ドル | 1ヶ月 | 無制限 | 4GB |
55ドル | 1ヶ月 | 無制限 | 10GB |
70ドル | 1ヶ月 | 無制限 | 25GB |
80ドル | 1ヶ月 | 無制限 | 無制限 |
- 全プラン共通で、テキストは無料で使用できる
- 通話も、2 degrees同士は無料でできる
- 「free data hour 」という、一日一時間すきな時にデータを無料で使える時間がある
2degrees同士だと通話量が無料、テキストは相手がどの携帯でも無料できるという点が他社にはない優れたサービスです。
また、毎日一時間自分が指定した時間に、データを消費せずに無料で使えるサービスがあるというのもありがたいですね。この時間を活用して、データ使用量の多いアプリを活用するとよいでしょう。
2 degreesのプリペイプランは28日間ではなく一か月対応しています。旅程がちょうど一か月くらいという方は、他社のプランですと最後の2,3日再度プランを購入する必要が出てきますが、2 degreesですと安心して使えます。
滞在長さ・目的別におすすめのプランは?
長期でたくさん使いたい人
長期でアプリや通話もたくさん使いたいという方は、VodafoneやSPARKのTravel SIMがよいでしょう。Facebookや Instagramなどに、頻繁に写真をアップしたい方は特にVodafoneがおすすめです。こちらはポピュラーなSNSアプリがほぼすべて無料で使えるようになっていますので、データの消費を気にせずに使える点がおすすめです。LINEやGoogle mapなど無料対象外のアプリでデータを使用し、FacebookやInstagramなどと使い分けることで、効率よくプラン内のデータを使うことができます。
短期でたくさん使いたい人
日本の家族や友達との電話を重視する方にはSPARKのTravel SIM、通話よりもSNSなどアプリをたくさん使いたいという方にはVodafoneのTravel SIMがおすすめです。どちらも49ドルのプランのものが、サービスも充実しておりおすすめです。どちらも通信量がかなりたくさんついているため、他のプリペイプランを買って途中で足りなくなるということを防げます。
スマホはあまり使わないので、とにかく安く抑えたい人
滞在期間にかかわらず「とにかく安く抑えたい、何かあったときのために一応スマホを持っておくだけ」という方には2 degreesのプリペイプランがおすすめです。滞在期間に応じて2週間か1カ月かを選ぶとよいでしょう。同行者がいる場合、互いに2 degreesで契約しておけば、通話やテキストも無料でできるのでお得です。国内通話も最低100分ついていますので、レストランの予約などで電話をかける際も安心です。
設定は難しい?設定方法について
携帯会社やプランは決まったものの、心配なのがSIMカードの設定です。言葉がうまく伝わるかわからない海外で、スムーズに設定するにはどうすればよいのでしょうか。
設定方法に自信がない方は実店舗に行こう
SIMカードの取り扱いに自信がない方にとって、一番わかりやすく間違いがないのは、直接店舗に行って店員さんに作業してもらう方法です。
固定契約とは異なるので手続きは簡単ですが、必ず身分証明としてパスポートを携帯することを忘れないようにしましょう。
英語でどんなプランにしたいか説明できる方はよいのですが、そうでない方は店員さんに伝える際に、事前に決めておいたプランを紙にメモしたり、店舗にあるパンフレットを指さしたりして伝えましょう。
店員さんにSIMの入れ替えと有効化(activate)をお願いする場合は、「Would you please replace SIM card and activate it?」といえば大丈夫です。
自分でSIMを購入し、有効化する場合は
店舗に直接行かなくとも、ご自分で済ませてしまいたい方や扱い方に慣れている方はご自分で済ませてしまう方法もあります。
Vodafoneの場合
SIMカードを入れた後、Vodafoneから携帯にテキストが送られてきます。そちらを開けば完了です。
SPARKの場合
SIMカードを挿入後、go to spark.co.nz/goのページを開けば完了です。
2 degrees の場合
SIMカードを挿入後、200に電話して音声案内に従って有効化します
SIM設定後の注意点は?
どの会社もSIMを入れただけでは使えません。
各会社のサイト内でお金をクレジットカードで払うか、スーパーやコンビニでバウチャーを買い、お金をアカウントに入れましょう。バウチャーに書いてある番号をテキストで送信すると、アカウントにお金が入った状態になり、携帯を使えるようになります。
どのプランにするかは、各携帯会社のアプリをダウンロードし、そこから設定するようにすると簡単です。
特にご注意いただきたいのは、Travel Sim を購入したい方は店舗に行って買いましょう。スーパーなどでは取り扱っていません。重複して買うことのないように、普通のSIMにするのか、Travel SIMにするのかは最初に決めておきましょう。
Wi-Fiレンタルと比べてどちらがお得?
携帯を海外で使えるようにする方法はSIMカードだけではありません。日本でオセアニア向けのWi-Fiを借りておいて現地で使うという方法もあります。しかし、二つの点からWi-Fiを借りるよりもSIMを現地で買うことをおすすめします。
一つ目の理由としてWi-Fiを持ち歩かなくてよいことが挙げられます。そんなに重くかさばるものではありませんが、Wi-Fiを持ち歩くのは荷物になります。充電をし忘れていたら途中で使えなくなりますし、旅の途中で紛失したりすると大変不便です。
二つ目の理由は、SIMを購入する方が、Wi-Fiレンタルをするよりもずっと安く済むためです。
某国内大手の海外Wi-Fiレンタルチェーンの貸し出しプランで計算しますと、
- 高速)の一日最大容量600MBの場合…一日当たりの使用料金1270円
- 高速)の一日最大容量無制限の場合…一日当たりの使用料金2270円 でした。
10日くらいの滞在予定だとして、一番安い①のプランで計算してもかなりの額になりますし、300MBや600MBではすぐ容量を満たしてしまいます。③のプランですと、容量は無制限であってもWi-Fiを借りること自体がかなりの出費となってしまいます。 これらの点を考慮すると、日本Wi-Fiをレンタルしてくることは得策ではありません。こちらでSIMを購入した方がずっと安価で済みます。
まとめ
ここまでお読みくださり、NZのWi-Fi事情についてはかなりお分かりいただけたかと思います。NZでは通信費が日本と比べて全般的に安いので、こちらでSIMを購入しても十分に元をとることができます。店員さんとやりとりをするのは少し緊張してしまうかもしれませんが、旅行者に慣れているこの国の店員さんはとても親切に教えてくれます。ですので、安心してお気に入りのプランに申し込んでくださいね。NZの旅が楽しいものになること間違いなしです。