このページでは、タイに旅行に行きたい方、タイに移住したい方に向けて、現地SIMの利用方法を解説します。
■タイの通信環境について
筆者は、タイ・バンコクに在住していますが、ホテルやカフェなどはフリーWifiが充実しているため、極端にいえばSIM無しでも生活していくことができます。
通信手段については、LINE電話、Skype、050から始まるIP電話など、モバイル通信ではなくインターネット通信を使用すればよく、タイの電話番号を持っていないと生活に困るという事はありません。
ただ、街中を移動するとき、Google Map などを見れないと困りますので、ある程度モバイル通信が出来る環境を用意しておくと安心できます。
Google Map は、4Mbps程度の通信速度があれば十分閲覧できます。
そして、タイの携帯会社「AIS」のSIMを利用すれば、4Mbps 半年プランはわずか1400バーツ(およそ4200円)で購入可能です。とても安いです!
■タイのモバイル通信環境を手に入れる方法
最初に結論を書いてしまうと、以下の手順が最も分かりやすいです。
1. Amazon で AIS社の SIM を購入する (日本で入手可)
2.「Mobile Topup」というサイトから、クレジットカードでチャージする
3. スマホアプリ 「My AIS」 から、プランを選択する
――というわけで、パソコンとクレジットカードさえあれば、どこでも簡単に契約可能です。
現地でタイ人相手に、契約を結んだりする必要は一切ありません。
■SIMを入手する
空港やタイ現地でSIMを調達することもできますが、オススメの方法は、日本にいるときにAmazonでSIMを購入することです。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B0116EDXCK/
上記リンクから、タイの携帯会社「AIS」のSIMを購入することができます。
1週間のあいだ、データ通信は無制限、通話も100分までチャージ済みです。
1週間以内の短期旅行であれば、このSIMを購入するだけで十分です。
そして、1週間以上滞在する場合も、このSIMにチャージしてそのまま使い続けることが可能です。
■SIMを利用する
付属の説明書にていねいな解説がありますので、特に迷う点はないと思います。
タイ現地に到着したら、SIMを差し込みます。
(日本にいるときに差し込んでも問題ありません。スマホ画面上部には「AIS – 通信サービスはありません」と表示されます。タイに入国して電波を受信できるようになると、自動的に利用開始します。)
挿入したら、APNを設定します。
Android版の操作説明は、下記動画が分かりやすいです。
見て頂ければ分かりますが、特に技術的な知識は必要なく、数分で設定完了します。
電話番号は、SIMカードを入れた袋にシールが貼ってあります。
■必要な金額をチャージする
現地の街角にある機械からチャージする方法と、スマホアプリからチャージする方法がありますが、オススメは後者です。
タイの携帯会社 AIS が提供する公式アプリ「My AIS」から、インターネット利用プランを契約することが可能です。
「My AIS」での支払いには、クレジットカード、LINE Pay、Mobile Topup など、いくつかの手段がありますが、オススメは「Mobile Topup」というウェブサイトです。
まず、クレジットカードは、タイ国内で発行したものしか受け付けないので、論外です。
LINE Pay は、普段から利用されている方なら、そのまま利用してもよいと思います。
しかし、これまで利用していなかった方が、My AIS のために新たに利用設定するのはかなり面倒です。
LINE Pay の利用には、電話番号が必要になります。
電話番号を登録せず、Facebook等と連携してログインしている LINEアカウントでは、LINE Pay を利用することはできません。
筆者のばあい、日本の携帯会社との契約は解約してバンコクに移住したため、日本の番号を使うという手段も取れませんでした。また、050等のIP番号でも、LINE Pay を利用することはできません。
AISの電話番号を使えばよさそうに思えますが、タイ国籍のない人がタイの電話番号で LINE Payを利用しようとすると、パスポートの番号やら住所の入力やらを大量に求められます。
とても面倒なので、「Mobile Topup」を使うことを推奨します。
(Topup というのは、日本でいう「チャージ」のことです。)
Mobile Topup公式サイト
2. AIS社からもらっている携帯番号を入力します。
最初の「0」は省いて入力する必要があるので要注意です。
3. お好みの金額を選択します。必要な金額をぴったりチャージできないのが面倒ですが、複数回に分けてチャージしましょう。1400バーツ必要であれば、「1000THB」「300THB」「100THB」を3回チャージします。
4. クレジットカードの入力画面が表示されます。
このサイトでは、日本で発行したクレジットカードも利用することができます。
なぜか支払いが通らない場合がありますが、別のクレジットカードに変えて試せばあっさり通ったりします。
(こんな時のためにも、海外旅行では複数のクレジットカードを持ち歩くとよいです。)
ちなみに、これが街角にあるチャージ用の機械です。ファミリーマートに置いてあります。
日本でいう「Famiポート」のような、マルチメディア端末と思われます。
携帯のチャージ以外にも、様々な支払いを行うことができるようです。
使い方が分かりづらいので、わざわざ使用するメリットは無いと思います。
■My AIS からプランを選択する
チャージが済んだところで、スマートフォンに「My AIS」アプリをダウンロードします。
App Store
https://apps.apple.com/th/app/my-ais/id399758084
Google Play
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.ais.mimo.eservice
1. 電話番号を入れてログインします。
2. 先程チャージした金額が、画面上部の「Balance」に表示されているはずです。
3. 画面上部の「Package」ボタンを選びます。
4. 「Apply Internet On-Top Package」を選びます。
5. 3つのプラン候補があります。通信容量制限のない「Internet Non-Stop」がオススメです。
(速度制限はありますが、容量自体の制限はありません。)
6. お好みの契約期間と通信速度を選択します。
※ 筆者は「6Months 4Mbps 1400Baht」を利用しています。
モバイル通信はあくまで Wi-fi がない屋外での「つなぎ」程度に考えています。
4Mbps程度あれば、Google Mapの閲覧などで困ることはありません。
動画を見たいときは、Wi-fi のある環境を利用します。
7. 契約内容の詳細が表示されます。
「6Months 4Mbps」プランであれば、1月20GBまで 4Mbps で利用できるとのことです。
20GBを越えると 128kbps に速度が落ちますが、インターネットの利用自体は出来るので安心です。
「Confirm」ボタンを押します。
8. 下記のような画面が表示されます。
なぜか、ここは英語に対応していません……。
意味は「処理を実施中なので、しばらくお待ち下さい」といったところでしょうか。
しばらく待つと、SMSで契約完了した旨のメッセージが届きます。(ただし、タイ語ですが……。)
※ なお、チャージ金額が足りていない場合は、下記のように表示されます。
9. 契約完了後は、ホーム画面の「Current Package」を確認しましょう。
一見、先ほどの契約プランが表示されていませんが、
「More」をタップすると、詳細情報が表示されます。
下の画像のように、プランが表示されていれば問題ありません。
今回説明したプランの場合は、「Mao 1400B Net 20GB per month speed 4Mbps 6months」と表示されているはずです。
余談ですが、筆者は「More」をタップして確認することに最初気づかず、上の画像のとおり、同じプランを2回契約してしまいました……。おかげで、毎月40GBも高速で使用可能です。
画面下にある「Cancel Package」を押しましたが、なぜか解約できないと言われてしまいました。
たかが、4000円程度なので諦めることにしました……。
■レンタルWiFi との比較
すでにお分かりかと思いますが、レンタルWiFi を利用するよりも遥かに安いです。
国内のレンタルWiFi を利用する場合、安くても1ヶ月あたり 8,000円 程度かかります。
■価格.com
https://kakaku.com/mobile_data/world-Wi-Fi/ranking.asp?ww_country=99
また、タイ現地のレンタルWiFi は、1日あたり250バーツ(約750円)かかります。
月額でいうと、2万円ほどかかることになります。
■AIS Pocket WiFi Rental
http://www.ais.co.th/pocketWi-Firental/en/index.html
一方、AIS の Internet Non-Stop プランであれば、30日間・10Mbps のプランをわずか1100バーツ(およそ3300円)で利用することができます。
10Mbps あれば、YouTube を視聴しても不便を感じることはありません。1月あたりの高速利用容量も33GB(1日あたり1GB以上)ありますので、動画を1日3時間程度、視聴しても速度制限はかからない計算です。フリーWiFi を積極的に利用すれば、もっと安いプランでも十分タイ生活を楽しむことは可能です。
■上級者向け: タイ生活に必要な電話環境について
ここからは、短期の旅行者ではなく、タイへの移住を考えている方向けに補足解説していきます。
タイに移住する場合、当然日本の携帯会社との契約は解約していくと思います。
しかし、日本のウェブサービス(クレジットカード会社・インターネットバンキング等)を利用するには、電話番号の入力を求められることが多く、当然タイの番号では通らない場合が多いです。
そこで、IP電話を準備しておくとよいです。
筆者は、下記のような使い分けで生活しています。
・親しい知人との通話 → LINE、Skype(無料)
・ウェブサービスへの登録 → IP電話
・街中でのインターネット閲覧など → タイ・AIS (通話用にはほとんど使わない)
オススメのIP電話サービスは「SMARTalk」です。
■SMARTalk
https://ip-phone-smart.jp/smart/smartalk/
月額基本料金はかからず、通話した分の利用料金だけが掛かります。
インターネット回線を利用したIP電話のため、国際電話特有の高額請求が来ることもありません。
国際電話をかけても 8円/30秒 しかかかりません。
■SMARTalk – 詳しく知りたい、海外での使い方
https://ip-phone-smart.jp/column/international_detail/
上記ページを見て頂ければ分かる通り、日本に居る人がタイのSMARTalk利用者に電話をかけるときは、「050」から始まる電話番号にそのまま掛けるだけです。国際電話特有の「国番号などを頭につけて掛ける」といった手間が必要ありません。そのため、ウェブサービス登録時には、「050」から始まる番号をそのまま記載すれば十分です。
重要な点として、SMARTalkで新しい番号を開設するためには、「IP電話ではない電話番号」が必要です。(IP電話番号の乱造を防ぐための措置と思われます。)
そのため、日本の携帯番号を解約する前に、SMARTalkを開設しておく必要があります。
SMARTalkを開設してしまえば、日本の携帯番号は解約しても問題ありません。
筆者の経験からいうと、クレジットカード会社やインターネットバンキングでも、050から始まるIP電話は普通に登録できることが多いです。時々「050」を受け付けないサービスもありますが、そういうサービスは利用しないことにしています。
■まとめ
タイの携帯会社「AIS」は、格安プランを提供しています。
お得で便利な利用ポイントは、下記のとおりです。
・基本的にはフリーWiFi を利用し、移動中のつなぎ用にモバイル通信を利用するとよい。
・必要なSIMは、Amazon を使えば日本でも手に入る。
・プラン契約も、インターネット上で完結する。
このページが、タイ生活のお役に立てば幸いです。よいタイライフを!